AI音声詐欺

ほぼこもセキュリティニュース By Terilogy Worx

AIが大きな注目を集めています。
もっともらしく質問に答えてくれる、依頼した内容に沿った絵を描くことができる、もともと人工知能という単語には夢がありましたが、いま、その夢が現実のものになる未来がすぐそこまで来ていると感じられる状況になってきています。
最近のAIではどんなことができるのでしょうか。

  • 音声の合成
    声真似というとものまねを連想しますが、ここではコンピュータによる音声の合成です。
    非常に多くのシステムが登場しており、大きな経費をかけることなく利用することができます。
    なかには無償で利用できるものもあります。
    いろいろなものがありますが、たとえばLyrebirdは少なくとも1分間の現実世界のスピーチをアップロードすることで、誰でも声を模倣する「ボーカルアバター」を作成できるとしています。
  • 会話の実現
    会話が実現できる機構も登場しています。
    GoogleのLaMDAです。
    入力される音声を、意味理解、生成、要約、翻訳、校正し、応答内容を出力できます。
    GoogleアシスタントやAlexaは会話といってもコマンド入力のインターフェースであって会話という感じはあまりしませんが、会話が成り立つ機構がでてきています。

これらの技術はすでに新しいものではなくなってきています。
これらをベースとしたより新しいものがリリースされてきています。

ほんの1分間くらいの音声情報、ほんのいくつかの文章の読み上げ情報だけで、声がマネされてしまうのです。
この技術を悪用すると、従来からあるオレオレ詐欺の本物らしさは、いよいよ危険なものとなってくることと思われます。
実際、米国ではなりすまし詐欺が増加しており、2022年においては2番目に大きな犯罪種別となっていました。

技術の進歩の速度は加速しています。
どのような技術があるかを知ることは自分を守ることになるのかもしれません。

参考記事(外部リンク):They thought loved ones were calling for help. It was an AI
scam.

www.washingtonpost.com/technology/2023/03/05/ai-voice-scam/